メンター対談〜メンターとの対話が生む「学び」と「つながり」〜
先日の説明会で語られたメンターの古野さんと渡さんのやりとりを一部紹介します。
コンペ当時よりも、15年経た今のほうがもっとedgeにお世話になっていると語る渡さん。
コンペ参加時からのメンターとの関係について、語ってくださいました。

古野さん(以下、古野)
合宿では、ワンラウンド40分くらいの対話をします。問いかけて引き出す、という形式ですね。Aさん、Bさん、Cさん…と3〜4人の異なるメンターと繰り返します。一見すると同じことを話さされるようですが、メンターによって角度が違うので、実際には違うことを引き出されるんです。それを体感することで、自分のプランの立体像が見えてきます。
「ああ、自分のプランのここが弱いな」とか、「みんなここを聞くんだ」と気づくんですよ。こうして、プランの磨き上げが短期間で集中してできます。
さらに、人間同士のつながりも生まれます。24時間一緒に過ごすことで、性格や人となりが見え、自然に関係性が生まれる。これが半年以降、商いを進める上での大きな財産になるんです。
渡さん(以下、渡)
合宿でも本当にお世話になりました。めちゃくちゃありがたかったです。

古野
これが皆さんの財産になればいいなと思っているんです。合宿で多くの人と関わることで、メンターや他のプレイヤーとのご縁が生まれ、その後の活動も豊かになる可能性が高まります。相談できる仲間ができ、一緒に切磋琢磨できるわけです。
建前上、40分×3本や4本といった枠がありますが、実際には一緒にご飯を食べたり懇親会で話したりする時間も重要です。積極的にいろんな人と話すことで、後々の活動に大きな意味が生まれます。
古野
最初のプレゼンがこちらに伝われば、合宿には参加できる可能性は高いです。メンターが大切にしている要素は、潰したい社会課題、その課題を抱えている人、そして困りごとの原因です。原因によって手段が変わることもありますから、因果関係を整理することが大切です。
継続性は二の次、三の次です。まずは「原因」と「手段」の関係を明確にしてプランを納得できる形にする。それが半年間の成長につながります。
渡
僕の場合、ファイナル直前まで「大学進学のお金の問題」に焦点を当て、返さなくていい奨学金制度を作るプランでした。でもファイナル直前のメンタリングで、古野さんや河内さんに「学力もあり、機会もある、意欲もある、残りあとお金だけで大学に行ける人はどのくらいいるの?」と聞かれたんです。確かにそんな人少ないよな、と。
それが引っかかって、現実を考え直しました。
結果的に、学力や意欲、親のサポートがある人に対して、資金面だけで大学に行ける人を増やす方向に手段を変えました。これでプランが現実味を帯びていったんです。

古野
メンターとのキャッチボールで、プランの映像が動き出すんですよ。完璧に作って「どうですか?」というより、対話を楽しむ。渡さんはその姿勢が素直でしたね。
渡
そうですね。僕は素直に受け入れることができたと思います。逆に、プランを守ろうとガードを固める人もいますが、そこに固執するともったいないと感じます。
古野
edgeでは、アドバイスを受けたら「とりあえずやってみる」という姿勢が大事です。渡さんは、そこは素直な人だったよな。という印象です。
動く力があったからこそ成長できたと思います。
渡
友人の誘いでそれほど具体的なプランもなく合宿に参加した後、メンターの方からさまざまなご意見をいただいたのですが…日常に戻ると大学生活もあり、なかなか行動できない自分がいました。
そこで「当事者の声をもっと聞け」と指摘され、どうやって聞くかを教えてもらいました。直接聞くか、支援者に聞くかの2通りがあると。僕は支援者に聞きに行くことにしました。
運よく、住んでいた地域でシングルマザーの集まりを見つけ、飛び込みで参加したんです。すると、参加者から「あなたのような人を待っていた」と歓迎され、まるで救世主のような反応をもらいました。これが、edgeで育ててもらった自分の根幹につながっていると感じます。

古野
そういう経験が、後の行動力や成長につながるんですよね。
渡
はい。本当に、edgeで根っこの部分を丁寧に育ててもらえたと感じています。